音楽用語 leggieroの意味を歌い手が詳しく解説
歌い手の風彩花火(ふうさいはなび)です
今回は音楽用語 leggieroの意味を説明します
音楽用語の「leggiero(レッジェーロ)」とは、楽譜で使われる発想標語(曲想・演奏法の指示)の一つで、「軽く」「軽やかに」「軽快に」「優美に」という意味です
イタリア語由来で、音楽に軽やかで繊細なタッチ、浮遊感や優雅さを与える際に用いられます。特に速いパッセージや華やかな部分でよく登場します
1. 語源と本来の意味
- イタリア語の「leggiero」(または「leggero」)👉 形容詞で「light(軽い)」「nimble(敏捷な、軽やかな)」を意味します。古い表記として「leggiero」が音楽用語で一般的です
- 語源はラテン語「levis(軽い)」に由来し、英語の「light」やドイツ語の「leicht」と同根です
- 音楽では物理的な重さを感じさせない軽やかさを指します。単に「弱く(piano)」弾くことや「力を抜く」こととは異なり、一音一音の輪郭を明確に保ちつつ、全体として軽快で流れるような響きを求める高度な表現です。ピアノでは「真珠のような演奏(Jeu perlé)」と関連づけられることが多く、音が散らばる真珠のように独立しつつ軽やかに転がるイメージです
この用語は性格指示として機能し、テンポや強弱とは独立して「タッチの質」や「動きの軽やかさ」を指定します。古典派からロマン派、特にショパンやメンデルスゾーンなどの作品で頻出します
2. 読み方と表記
- 読み方:レッジェーロ(leggiero)/レジェーロ
- 略記:legg. や leggiero(フルスペル)
- 関連形
- leggieramente(レッジェラメンテ) 👉 軽く(副詞形)
- molto leggiero 👉 非常に軽く
- con leggerezza(コン・レッジェレッツァ) 👉 軽やかに(同じ意味の別表現)
- 楽譜上では速いパッセージや旋律的な部分に書かれ、適用範囲は指示の後から次の指示まで、または自然に終わるまでです
3. 他の用語との比較
- grazioso(グラツィオーソ) 👉 優雅に、愛らしく。前回の解説通り、上品で洗練された優美さ。leggieroはより「軽快で浮遊感のある軽やかさ」に重点(優雅 vs 軽快)
- leggiero vs staccato 👉 staccatoは短く切って離す(明確に分離)。leggieroは軽いが、完全に分離せず、軽く触れるようなニュアンス(中間的な感じ)
- leggiero vs legato 👉 legatoは滑らかに繋げる。leggieroは繋げつつも軽く、指の動きを自由に(重く粘着させない)
- dolce(ドルチェ) 👉 甘く優しく。leggieroは甘さより「軽やかで明るい軽さ」
- maestoso(マエストーソ) 👉 荘厳に(leggieroの正反対に近い、重厚さ vs 軽やかさ)
ポイント
leggieroの「軽さ」は音の密度を凝縮し、接触時間を短くすることで生まれるイリュージョンです。重い腕や肩の力を使わず、指や手首の敏捷な動きで実現します。速いパッセージでは特に効果的で、軽快ながらも明瞭さが失われないよう注意が必要です
4. 実際の演奏での扱い方
- 表現のイメージ 👉 つま先立ちでピョンピョン跳ねるような軽やかさ、または風に舞う羽のような浮遊感。重力に抗う能動的な軽さで、音がぼやけたり粘着したりしない明瞭なタッチが理想です
- 演奏のポイント(特にピアノの場合)
- 指のMP関節(付け根)や手首を活用し、腕の重みをほとんどかけない
- 鍵盤を浅く(または適度に)打鍵し、すぐに次の音に移る(離鍵が素早い)
- 速いパッセージでは指を自由に動き、軽い打鍵で明瞭さを保つ
- 弦楽器では弓の圧力を軽く、管楽器では息を軽やかに
- 組み合わせ例
- Allegro leggiero:速く軽やかに
- leggiero e grazioso:軽く優雅に
- molto p e leggiero:とても弱く、そして軽く
- 注意点 👉 ただ弱く弾くだけだと音が不明瞭になるので、軽さの中に明瞭さとエネルギーを込める。ロマン派作品では詩的に、古典派では軽快に解釈される傾向があります。過度に軽くすると「薄く」聞こえるので、バランスが重要です
- 練習のコツ 👉 手首を軽く浮かせるイメージで指を素早く動かす練習。staccatoやlegatoと交互に弾き比べて違いを体感。録音を聞き比べ(特にショパンのスケルツォやエチュード)するとニュアンスがつかみやすいです
まとめ
leggiero = 「軽く、軽やかに、軽快に」
イタリア語の「light」から来ており、重くならず敏捷で優美なタッチを求める発想標語です。grazioso(優雅に)と似ていますが、より「浮遊感や軽快さ」に重点を置いた表現で、速いパッセージの華やかさを引き立てます
実際に楽譜を見ながら聴くと感覚がつかみやすい有名曲例
- ショパン:小犬のワルツ(Allegro leggieroの軽やかな部分)やエチュード
- メンデルスゾーン:協奏曲やスケルツォの軽快なパッセージ
- ブラームスやリストの作品でleggieroが出てくる軽やかな箇所
- 教則曲や練習曲でも頻出
これまで解説した用語(Allegro、rall.、dim.、meno mosso、molto、dolce、andante、maestoso、meno、accel.、cresc.、rubato、a tempo、poco、sempre、grazioso、con moto、simile、allargando、coda、espress.、sub.、ten.、molto rit.、tempo I)と組み合わせると、
例えば「Allegretto grazioso e leggiero」(やや速く優雅に軽やかに)や「leggiero e espressivo」で、より軽快で表情豊かな演奏ができるようになります
※個人の解釈として受け止めてください!




