音楽用語 moltoの意味を歌い手が詳しく解説
歌い手の風彩花火(ふうさいはなび)です
今回は音楽用語 moltoの意味を説明します
音楽用語の「molto(モルト)」とは、楽譜で使われる強調・修飾の副詞で、「非常に」「きわめて」「大いに」という意味です
イタリア語由来で、英語の「very」や「much」に相当し、他の音楽用語(テンポ、強弱、表情など)に付けてその度合いを強める役割を果たします
1. 語源と本来の意味
- イタリア語の「molto」👉 副詞(または形容詞)として「とても」「非常に」「多く」「大いに」を意味します
- 音楽では単独で使われることはほとんどなく、他の標語を修飾する付加語として機能します。程度を強調し、演奏者に「もっと強く」「より極端に」という指示を与えます
- 似た言葉との比較
- assai(アッサイ) 👉 きわめて(moltoと近いが、少し強い場合もある)
- poco(ポコ) / un poco 👉 少しだけ(moltoの反対)
- più(ピウ) 👉 より多く
- meno(メノ) 👉 より少なく
moltoは「poco」の対極として、大きな変化や強い表現を求める際に使われます
2. 読み方と表記
- 読み方:モルト(molto)
- 表記:molto(フルスペルが一般的)。略記はほとんどなく、直接他の用語の前や後に付けます
- 例 👉 molto allegro、allegro molto(順序は作曲家・時代によって多少異なるが、意味はほぼ同じ)
- 適用範囲 👉 指示が出た部分やセクション全体に影響します
3. 主な使い方と具体例
moltoは多様な文脈で使われ、ニュアンスを大幅に変えます
テンポ(速度)関連
- molto allegro(モルト・アレグロ) 👉 非常に速く、きわめて快活に(Allegroより明らかに速め、168 BPM近くやそれ以上になる場合も)
- molto adagio(モルト・アダージョ) 👉 非常に遅く(Adagioよりゆったりと、重く)
- molto vivace(モルト・ヴィヴァーチェ) 👉 非常に活発に
- molto meno mosso 👉 今までよりかなり遅く(前の会話のmeno mossoを強くした形)
- molto rall. / molto rit. 👉 だんだんかなり遅く(劇的な減速)
強弱(ダイナミクス)関連
- molto cresc. / molto crescendo 👉 非常にだんだん強く(大きなクレッシェンド)
- molto dim. / molto diminuendo 👉 非常にだんだん弱く(大きな減衰)
- molto forte(モルト・フォルテ) 👉 非常に強く(ffに近い強さ)
- molto piano 👉 非常に弱く(ppに近い弱さ)
表情・演奏法関連
- molto espressivo(モルト・エスプレッシーヴォ) 👉 非常に表情豊かに
- molto legato 👉 非常に滑らかに
- molto staccato 👉 非常に短く切って
- molto allargando 👉 非常に大きく・ゆったりと遅くしながら
その他の組み合わせ
- molto possibile 👉 できるだけ非常に(極限まで)
- adagio di molto 👉 非常に遅い柔板(di moltoも同様の強調)
こうした指示は、演奏者にベースの用語より極端な解釈を求めます。例えば「Allegro」なら標準的な速さですが、「molto allegro」ならよりエネルギッシュで速い演奏が期待されます
4. 実際の演奏での扱い方
- 強調の度合い 👉 moltoは「少し」ではなく「かなり」「劇的に」というニュアンス。機械的に速く/強くするだけでなく、音楽的な活力や感情の強さを加えるのが理想です
- 変化の仕方 👉 テンポや強弱の変化がより顕著になるよう調整。メトロノーム練習では、ベースBPMの20-50%程度の増減を目安に(文脈による)
- 注意点 👉 作曲家・時代によって解釈の幅あり。古典派では比較的控えめ、ロマン派以降では感情表現として大胆に扱われる傾向。過度に極端にすると曲のバランスが崩れる場合もあるので、全体の文脈を考慮します
- 前回までの用語との組み合わせ例
- Allegro(速く明るく) + molto → molto allegro(きわめて速く明るく)
- rall.(だんだん遅く) + molto → molto rall.(かなり劇的に遅く)
- dim.(だんだん弱く) + molto → molto dim.(非常に弱く消え入るように)
- meno mosso(今までより遅く) + molto → molto meno mosso(かなりゆったりと)
まとめ
molto = 「非常に」「きわめて」
単独ではなく、他の音楽用語を強化する修飾語として機能します。テンポを速くしたり、強弱を極端にしたり、表情を豊かにしたりする際に多用され、音楽にドラマやコントラストを与えます。poco(少し)と対比すると理解しやすいでしょう
実際に楽譜を見ながら有名曲を聴くと効果的です
例えば…
- ベートーヴェンやモーツァルトの「molto allegro」
- ロマン派作品の「molto espressivo」や「molto cresc.」
- チャイコフスキーやラフマニノフの劇的なテンポ変化部
前回までの用語(Allegro、rall.、dim.、meno mosso)と組み合わせると、楽譜の指示がより立体的に理解できますね
※個人の解釈として受け止めてください!




